メール交換をしている自分のキャラクター

Posted by admin on 月曜日 1月 31, 2011 Under 日記

同校に新採用以来一三年間勤務していた石田教諭は、中堅的な位置だ。弱みを見せつつ、相談できる相手がおらず、心情的には孤独だったのかもしれない。だからこそ、二人の女性は、自身の年齢をひと回りほど偽っても、つながっていたい相手だったのだろう。住んでいたのは教員住宅。辺りは新しい一戸建て住宅や団地、マンションが立ち並び再開発が進みつつも、空き地も残り、のどかな風景だ。周囲からは浮いているように見える古めかしい教員住宅内でパソコンに囲まれていた石田教諭。現実の生活や風景の浮遊感覚から、ネット志向が過剰になったとしてもおかしくない。そして、メール交換をしている自分のキャラクターが、現実の自分よりも快適になっていく。しかし、失踪前の日記は、お金がなくなっていく石田教諭の姿が見て取れる。また、徐々に彼女たちを信用できなくなっていく。七月一日には「■人間不信」とのタイトルで本文は書いていない。また、直前の日記には、トラブルに巻き込まれた様子が簡単ではあるが、記されている。翌日の七月一五日は最後の日記で、「■実家に帰った」とのタイトルだつた。その後、石田教諭は、三度と実家どころか、自宅の教員住宅にも帰れなくなった。「秘密のアッコちやん」に憧れて、現実を逃避した「イッシー」は、現実の世界に戻ることはなかった。

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